第1回インドアツアーズ:成田空港のある空間

 初めての出来事がありました。「そういえば、行ってほしいところがあるんだけどさぁ」と突然、知り合いに言われたことです。それに驚きつつ戸惑いましたが、
「え、どこに?」
と間髪いれずに聞き返しました。すぐに「東成田」と返してきました。私には東成田という地名には聞き憶えがあって、一駅分ぐらいの時間かけて頭の中の引き出しから思い出しました。
「それってたしか… 成田空港の近くだよね」と私がいうと、
「うん、そうだよ。でも近くというよりも、内。」と返してきました。
「東成田ってなにがあるの、駅前とかは?」と言うと、
「昔は京成線の終着駅で、さらに空港の玄関だった所で、いつだったけな昭和、平成… どっちだったけ。まあとりあえず、今のルートが出来て、そっちにみんな移ったから*1、今の東成田には何もないよ。駅前は羽田空港の近くの新整備場駅とおんなじ感じだよ」と言われました。
 どうやら、知り合いが言うには、駅構内はまるで京成電鉄の博物館駅、駅前は空港関係の建物ばかりだそうです。
「そこって具体的にどんな感じなの?」と早口で言うと、ゆっくりと「じゃあ、そこについて書かれたブログを読む?」と返してきました。
 その後、知り合いのスマートフォンでブログなどを読みました。そこには、誰もいない駅構内、20年間も時が止まっているホーム、街並みの写真と、長ったらしい文章がありました。

夜8時半を回ったガラガラの副都心線の内はお酒臭いうえ、湿っていて息苦しかったです。

参考までに副都心線の車内の画像。この日はもっとガラガラでした。画像は無料写真素材 東京デート 副都心線より


 家に帰って、半分だけ開いた瞼で、東成田について詳しく調べてみました。すると、東成田駅は東京に近い秘境駅*2として扱われていたりと、見どころの多い駅だということが分かりました。




 今回からは『○○についてシリーズ』の名前を改め、インドアツアーズと改名します。読むと部屋にいるのに外出したような心地になれるような気がするシリーズです。
 

-1st 東成田まで


 東京を朝早くに出て、京成線に乗って、東京からゆられるとこ1時間強、ようやく成田駅構内につきました。東成田に行くのにはこの駅で40分に1本の始発電車「普通 芝山千代田行き」に乗り換えないといけません。
 芝山千代田行きは『2番線、上野、日暮里方面。一部芝山八千田』から発車するそうです。2番線にはホームには大きなトランクを持った人、外国人、喪服を着た人などたくさんの人がいました。
 しばらくすると、「普通 芝山千代田行き」よりも先に『特急上野行き』が入線。そこでホームにいた、ほぼ全ての人がそれに乗りました。残ったのは成田空港関係者、芝山千代田の地元住民、芝山千代田に行きたがる鉄道マニア、そして私だけになってしまい、急に恥ずかしくなってきました。隠れ蓑が無くなった気分です。

 10分ぐらいたつと『普通芝山千代田行き』が入線したので乗ったのですが、わずかな人しか載っていませんでした。発車すると急カーブをまず曲がり、約100km/h(wikiより推定)の弾丸並みのスピードで成田空港のトンネルに突っ込んで行きました。


 発車してから3分ぐらいたったでしょうか、ガタゴトトンとポイントを通過する音が聞こると同時に東成田駅構内につきました。


 東成田駅構内につきました。この日の地上は暑かったのですが、地下(駅構内)はひんやりと湿っていていました。帰りの電車が来るまでの30分弱の時間を使って探検しようと思います。


 駅構内の写真。奥には先ほどのっていた普通芝山千代田行きの赤いライトが見えます。あんな遠くに行ってしまいました…


でた、名物。矢印が差しているものに注目です。





-2nd ホームの探検

さて、誰もいなくなったのを見計らってゴソゴソと探検を始めます。ホームの中ほどを歩いていたら…


 見つけた上り線用のこのエレベーターは、人の動きを感知して動く出す仕組み。下りもあったようですが、蓋をされています。このエレベーターの降り口(階上)の写真を撮ろうと、踏み板まで近づいたら急にガコンと言い出して動き始めました。あまりにも唐突だったのでびっくりして、飛び跳ねつつ後ろに下がってしまいました。


駅構内図。よく見てみると…





-3rd 改札口にて


足音を立てずに階上へ―


『EXIT』の看板の先には改札があります。


 改札の内側(コンコース)の右側に通路の入り口があるのですが、フェンスで蓋をされていましたが、隙間から、えいっ!! 隙間撮影完了です。
奥には更にシャッターがあるようです。


 コンコースの左側には大きなフェンスがあって、駅構内の半分を封鎖しています。なので、封鎖されている部分を隙間から撮影しようと思います。隙間から、えい。



天井が黒光りしています。

物置扱いになっています。

広告スペースがガラガラです。

精算所だったと言われている場所。



 改札付近(コンコース)で撮影すると、階上からチャリンチャリンと音がしました。誰かが入構してきたようです。人に見られたくないので、足音を立てずに階下へ移動しましたが、ずっと階上からチャリンチャリンと音がしていました。
 しばらくすると、人の会話が聞こえてきて、気がとっても楽になったと同時に、恥ずかしくなりました。
 そして、ゴーとうなるような低い音が聞こえてきました。音の正体が地上の飛行機が離陸する際の音かな?と思った瞬間に、電車が到着。この音はトンネルを走る電車の轟音だったのですね。






-4th 帰り路
帰りも狭い電車に揺られて経由地の押上につきました。押上と言えば…


これです。寄ってみました。押上なんて普通に来るところじゃないので。






実は今回、なんと1年と6カ月ぶりの単発回だったんです。


次回は第2回インドアツアーズ佐倉市編。お城、城下町、沼、谷戸や残念だった風車が出できます。
あと、前からチラつかせていた六郷用水下丸子・沼部地区の暗渠編も今秋冬完結の予定です。

*1:1991年(平成3年)に現ルートが完成

*2:私はそうとは思いませんが